2007.09.10 Monday
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遭難者がどんどん危機の深みにはまるのは、道を見失って迷ったときに
「こんなはずではなかった」
と、「予定されていたあるべき自分の姿」と「現実の自分の姿」のギャップに惑乱、むやみに動き回って「予定されていた自分の姿」に戻ろうとするから。
人間は、常に「あるべき環境」の地図を頭の中に持っている。その地図=メンタルマップと、実際の周囲の環境を照らし合わせて「自分」を認識する。この「メンタルマップ」と「実際の環境」の間のマッピングが大幅に狂うと、パニックに陥る。
迷い始めた遭難者は、マッピングができなくなっても、「実際の環境」に基づいた「メンタルマップ」を再構築するのではなく、逆になんとかして「実際の環境」を「メンタルマップ」に近づけようとする。
「こうすれば、元々知っていたメンタルマップの世界に戻れるのでは」
と、自分がいる場所がどこかもわからないのに、さらに新たな道に分け入り、どんどん深みにはまる。
〜
かように、「あるべき予定の姿」というメンタルマップと、「現実の周囲の状況」がかけ離れたときに、自分のメンタルマップの方を修正して再構築できる力が、サバイバルで一番大事なことなのである。
新たなメンタルマップができれば、正しく「現実の周囲の状況」を分析、それに基づいて新たな生き残りのためのプランを立て、それを実行していく余裕もできる。