ライフ・ゴーズ・オン
今日はDonell Jones3枚目のアルバムの『Life Goes On』。
いやはや、『Where I wanna Be』での期待を裏切らない完成度の高さである。
これでフロックではなかったことが僕の中では証明された。
僕の好きなCraig David同様、やはりミディアム〜スローな気持ちいい一枚。
シングルでも出された#3『You Know That I Love You』を筆頭に良曲揃いで、もちろん捨て曲は無い。
ただ、これはamazonのレビューにもあったのだけれど、#1の『Still』にいまいちピンと来ない人が多いかもしれない。
やはりそれだけ、前作#1『U Know What's Up』が停止ボタン、早送りボタンを押させることなく“まず掴む”という先頭バッターとして素晴らしい仕事をやってのけた、というのがあると思う。
『U Know What's Up』に比べると『Still』はメロディのキャッチーさで劣るし、幾分実験的?と思わせる感覚すら感じさせるからだ。
今の僕も『Still』を全力肯定はしない。
ただ、悪くはないと思うのだけれど。
#2から『Where I wanna Be』を聴いていた人間の多くが望む展開になる。
#2『Put Me Down』は小気味良いグルーブからDonellの声が重なっていくキャッチーなミディアムナンバー。
そして唯一のシングル曲#3『You Know That I Love You』。
「You Know That I Love You 〜 ♪」
と優しく絞ったような声で甘〜く歌うDonellの声には思わず聞き惚れる。
そして#4『Where You Are (Is Where I Wanna Be)』、#5『Do U Wanna』スローなバラード調の曲が続いて、タイトル曲の#6『Life Goes On』へ。
この#2〜#6までの流れだけで、大半の人は満足してしまえる。
スローなR&Bが好きな人は特に#4〜#6は堪らないはずだ。
しかし、ここからがまた凄い。
#7で後半へと導き、#8でそれを受けて繋ぐ。
そこで、#9『Guilty By Suspicion』と#10『Don't Leave』と来るのだが、この2曲がまた最高に気持ち良い!!
前半部分である程度満足しているのに、後半もまた良いのだ。
#11『Camback』も#12『I hopre It's You』も実に上質。
思わずジーンときてしまう。
艶やかな甘さ、色っぽさと共に、Donellには“Donellをかければ間違いない”みたいな安心感すら沸いてくる。
このアルバムはこの系統のアーティストが好きな人には垂涎ものだと思う。
ただ、強いて言うならその安心感のようなものが鬼門になってしまうかもしれない。
なんというか、スローでメローな上質な曲が揃っているため、耳にするすると入ってくるかわりに、印象に残りづらいような気がしなくもない。
この人にしか持ち得ない“らしさ”のようなものが感じづらいとも言えるからだ。
恐らく、初めて聴く人の耳に残るのは#3、#10で、後は輪郭が微妙にぼやけてしまう。
BGMとしては非常にかけやすい。
まぁ、逆に考えればばスルメ盤だとも言える。
それだけハイクオリティで良曲揃いなのだ。
4枚目のアルバムは今冬発売予定だったらしいが、春に延びたらしい。
出たら是非とも新譜で買ってみようと思う。